荘厳に美しく56年ぶり復活 輪王寺大猷院「二天門」

下野新聞
2018年4月28日

 世界遺産二社一寺で最大の楼門である日光市山内、日光山輪王寺大猷院(たいゆういん)の「二天門」の56年ぶりとなる大修理が27日までに完成し、輪王寺は同日、落慶法要を同所で行った。大規模修理は1653年の建立以来、7回目。2012年から約6年間、約6億6千万円をかけて漆塗りや彩色など全体の修理を行った。

 二天門は国重要文化財で、徳川3代将軍家光(いえみつ)の霊廟(れいびょう)・大猷院を代表する楼門。日光東照宮の陽明門と同様に、後水尾(ごみずのお)天皇直筆の扁額(へんがく)を掲げる。高さ約11・6メートル、幅約9・6メートル。二社一寺で2番目の大きさの陽明門より、高さが50センチ、幅は2・5メートルほど大きい。

 漆などのはく落や腐食、虫害があったため全面的に修理した。二社一寺では二天門にしかない霊獣「獬豸(かいち)」など186体の彫刻や飾り金具、屋根を美しくよみがえらせた。

 法要には輪王寺一山の僧侶が勢ぞろい。工事用の覆いが外され、約6年ぶりに姿を現した二天門の前で完成を祝う経を唱えた。

 工事を担当した日光社寺文化財保存会の原田正彦(はらだまさひこ)上席主任技師は「湿気がたまりやすい過酷な立地だが、カビを出さずに美しく修理できた」と話した。

 完成に伴い、輪王寺は28日~5月5日、「本物の出会い 栃木デスティネーションキャンペーン(DC)」の特別企画として二天門などをライトアップする。

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