日光産米の米菓展開へ 丸彦製菓 安定買い入れで農家支援

下野新聞
2022年2月22日

 米菓製造の丸彦製菓(日光市芹沼、山田邦彦(やまだくにひこ)社長)は、原料米として地元「日光産米」の使用に乗り出す。「日光ブランド」の魅力的な米菓作りを目指す。同時に日光市やJAかみつがと共に新型コロナウイルス禍で需要減退や米価下落といった影響を受ける農家のコメ作りを後押ししたい考えだ。

 同社の米菓は全国的に流通している。コロナ禍以前は、年間約50万人が訪れていた工場直売所「名水の郷 日光おかき工房」などでは土産用商品も取り扱う。同社によると生産量は北関東屈指で、原料の国産米は年間約4500トン使用する。

 県内の稲作は主食用米の割合が高く、加工用米(もち米)は特におかきやあられに使用されるが、生産量が少ないとされる。日光市は、この傾向がさらに強いため、同社は市産もち米の確保が課題としている。

 一方、主食用米生産の目安となる県内の2022年産作付け参考値(面積)は前年比で12・5%減。日光市は13・0%減となった。

 同社はもち米などを安定して買い入れることで稲作を支援したい意向。市も22年度一般会計当初予算案にもち米生産を支援する実証事業の助成費を盛り込んだ。

 同社は日光産米の米菓の魅力を周知するとともに、市内の農家に加工用米の生産に協力を求める目的で、3月の1カ月間、日光産米の米菓販売キャンペーンをスーパーなど県内で展開する。しょうゆとお米の風味が持ち味の堅焼きせんべい「うまい煎餅」を日光産うるち米で製造し、「日光産米100%」シールを貼ってアピールする。

 山田社長は「おいしい日光産米を使うことで当社の強みにし、全国に日光産米の米菓を広めたい。地元に根差し、農家が安心してコメ作りをできるようにしたい」と話している。