きれいに「鶴子舞」を 15日に若宮八幡宮例大祭 子どもたち真剣練習

茨城新聞
2021年5月3日

茨城県常陸太田市宮本町の若宮八幡宮(和田忠彦宮司)で5月15日に予定されている春季例大祭に向け、巫女(みこ)舞「鶴子舞」を奉納する子どもたちが舞の練習に励んでいる。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止になっており、舞の披露は2年ぶり。子どもたちはコロナ禍の払拭(ふっしょく)を含め、地域の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願したいと、本番に向けて舞の習得に真剣な面持ちで取り組んでいる。

同神社は約600年前に、佐竹義仁が鎌倉の鶴岡八幡宮から常陸太田市の青龍城(舞鶴城)中に祀(まつ)り、大(おお)鷦鷯(ささぎの)命(みこと)を祭神として佐竹氏代々の祈願所とした。奉納舞は同神社の勧請(かんじょう)の際に「鶴子」なる女性が一緒に来て祭礼をつかさどったという伝えから、「鶴子舞」と呼ばれ、神前で舞われる。

今年の同例大祭に向けた舞の練習は4月に入って同神社参集殿で行い、小学2年生から高校生までの十数人が参加している。奉納される「八乙女の舞」は、鈴の持つ霊力が参詣者に及ぶようにと鈴をひたすら振り続けて舞う。「浦安の舞」は扇子と鈴を使用し、災いを鎮める平和の舞。

練習は鈴の動きや鳴らすタイミング、足を運ぶ位置、全体の姿勢などに気を付けながら繰り返す。スマートフォンで撮影してもらい、自分たちでもチェックし合う。本番に向けさらに細かい点まで指導が入る。

高校3年生の助川美鈴さん(17)は「膝を曲げて踊ることが多く大変だが、練習で気を付けたことが本番でできた時はうれしい。ミスなく、きれいに舞いたい」、小林晴香さん(17)は「ゆっくり踊ることが体力的に大変。巫女の装束や扇子、鈴などを使って踊る日本の文化に触れるのが楽しい」と話す。

例年は地域のお囃子(はやし)や居合の演武なども披露され、境内には露店市も開かれるが、それらは昨年に続いて今年も中止とし、鶴子舞の奉納だけを行う。当日は午前10時からの神事に続き、新緑の境内に特設した舞台で披露される。

和田宮司は「子どもたちは一生懸命に練習している。コロナ禍を払拭できるように舞ってもらえれば」と期待する。

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