息栖神社の歴史紹介 茨城・神栖 東国三社資料70点展示

茨城新聞
2022年2月8日

「パワースポット」として注目される息栖神社(茨城県神栖市)、鹿島神宮(同県鹿嶋市)、香取神宮(千葉県香取市)の三社に関する展示「息栖神社と東国三社めぐり」が、神栖市大野原の市歴史民俗資料館で行われている。入場無料。3月20日まで。

同館の東国三社関連展示は、1994年に開催して以来28年ぶり。今回は地元・息栖神社を中心に、その歴史や文人との関わり、神事、観光などについて、約70点に及ぶ資料で紹介している。

同神社の祭神は、利根川の航海安全を願った海の民による民間の祭祀(さいし)に起源を持つとされる。常設の神社ジオラマや、昭和戦前の絵はがき「三社参りと水郷巡り」から、神社が水運と極めて密接な関係にあったことが分かる。

東国三社を訪れた文人墨客は、松尾芭蕉、小林一茶、十返舎一九、渡辺崋山、吉田松陰など少なくない。

今回の展示では、館内の天井に張られた神社の巴(ともえ)紋の幔幕(まんまく)をくぐると、通路左右にさまざまな資料が並ぶ。

目玉の一つは、川から鳥居を経て境内に至る、「光の道」を撮影した組み写真。光の道で全国的に知られる、福岡県の宮地嶽神社にも負けない、神々しい一瞬が収められている。

また、息栖神社境内にある芭蕉の句碑「此里者 気吹戸主の 風寒し」を、写真とともに解説。ほかに茨城県の石岡市、小美玉市、茨城町にある同名の「息栖神社」の紹介もある。

同館は「いにしえから多くの民の信仰を集め、現在では地域の人々に支えられる息栖神社。この展示で歴史をひもとき、その足でぜひ神社を訪れてほしい」と話した。月曜休館。問い合わせは同館(電)0299(90)1234へ。