川上が描いた「いきもの」 鹿沼市美術館企画展 9月まで版画中心に61点 写実や空想、多彩に

下野新聞
2020年7月10日

 【鹿沼】市川上澄生(かわかみすみお)美術館で、企画展「川上澄生のいきもの図鑑」が開かれている。同館が所蔵する版画家川上澄生(1895~1972年)の作品・資料から、「いきもの」をテーマに版画を中心とした61点を集めた。相澤美貴(あいざわみき)学芸員(26)は「さまざまな『いきもの』の作品がある。図鑑をめくる感覚で大人にも子どもにも楽しんでもらいたい」と話している。9月27日まで。

 展示は「身近な動物・植物」「物語のなかのいきもの『イソップ物語より』」「伝説・空想の中のいきもの」の3章構成。写実的な植物や、擬人的に捉えた動物、伝説上の生き物などを生き生き描いた作品が並ぶ。

 主な作品のうち木版画「観兵式」(縦18・1センチ、横24センチ)は、「兵士が乗る馬の輪郭を太く描くことで馬の堂々とした印象を出している」と相澤さん。

 「イソップ物語」からは木版画「ネコとネズミとオンドリ」(縦20・4センチ、横14・6センチ)など、物語の動物をユーモアに表情豊かに描写した20点を取り上げた。伝説上の生き物を描いた作品では木版画「一角獣と一角魚」(縦13センチ、横12・5センチ)などを紹介する。

 川上自身の飼い猫を題材にした作品も登場する。

 作品には平易な言葉で解説を付け、小学生でも理解できるよう工夫している。

 午前9時~午後5時。入館料一般300円など。原則月曜日休館。(問)同館0289・62・8272。

地図を開く 近くのニュース