《旬もの》女化ブルーベリーの森(牛久市) 守り続ける亡き父の夢

茨城新聞
2019年7月21日

牛久市の観光農園「女化(おなばけ)ブルーベリーの森」。小さな森を抜けた先、鳥よけの青いネットに四方を囲まれてブルーベリーの木が行儀よく並んでいた。紫色の果実がたわわに実る。その数14品種約800本。「農園は亡き父の夢。いつまでも守っていきたい」と龍ケ崎市の本多恭子さん。母の中込厚子さんとともに営む農園は「小さな子どもにも食べてほしい」と農薬と除草剤を使わず育てる。直売と摘み取りが6月から始まり、8月中旬ごろまでを予定する。「今年は涼しいので熟すのがゆっくり」

本多さんは千葉県、両親は埼玉県に住んでいたが、父中込亜旗男さんは定年後、農園を開きたいという夢があり、約10年前、龍ケ崎市に移住した。牛久市の農園を譲り受け、家族で苗木を育て2012年ごろ開園した。闘病しながら農園造りに奮闘した亜旗男さんは開園直前に亡くなった。「お客さんのブルーベリーを食べて喜ぶ顔を見せてあげたかった」と本多さん。

庭仕事や家庭菜園の経験はあったものの「農業は全くの素人」。鳥や虫に食べられ実が落ちてしまう失敗も、出荷先がなく実の摘み取りができないこともあったが、年々栽培技術を磨いた。「ほとんど独学でトライアンドエラーを繰り返した」と明かす。今は龍ケ崎市のたつのこ産直市場などにも出荷する。「手作業で行う夏の収穫と冬の剪定(せんてい)は本当に大変だが、農園を守り続けていきたい」と話す。

ブルーベリーは「甘味が強かったり、大粒だったり、皮が薄かったり」と品種によって味わいが異なる。「品種をブレンドし甘味と酸味のバランスの取れた」ジャムなどの加工品を委託で作る。シャーベット状のアイスキャンデーと乳製品が入らないジェラートは「超濃厚」。「ブルーベリーそのものを食べているみたい」と好評という。

小さな森も農園の魅力。「夏涼しくくつろげる。森を気に入ってくれた人が自然に集まった」。下草が刈られた森の中は中央に桑の木が枝葉を広げ広場のよう。今年電気が通り、小屋とウッドデッキを設置した。開園以来徐々に環境を整備する。

「一年中、人が集まる場所にしたい」とオフシーズンの春と秋に、雑貨や食べ物などの店を集めたマルシェ「森ノ音」が開かれる。森が人と人をつないでいる。

■メモ
女化ブルーベリーの森
▽牛久市女化町142の1(ナビは農園名を入力)
▽午前9時~午後5時
▽定休は水曜
▽(電)080(3512)6304

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