《食いこ》ヤマイチ味噌(牛久市) 風味さまざま、量り売り

茨城新聞
2019年11月3日

牛久市の「ヤマイチ味噌(みそ)」は地元産大豆を使って木おけで仕込むみそをはじめ、大豆の種類、大豆とこうじの比率、熟成期間などを変え15種類を超えるみそを造る。工場売店では、色や味の違う十数種類を量り売りする。4人家族で約4回分のみそ汁ができる300グラムから購入できる。

3代目で専務の坪井孝賢さん(41)は「みそは浮気されにくい食品。気に入れば同じ味を食べ続ける。みその消費量が減っている中で、味の違いを知ってもらい、いろいろな種類からみそを選ぶ楽しさを知ってほしい」と普及に力を入れる。

同社は1962年創業。社名は地元が誇る筑波山をイメージし、近隣で一番おいしいみそ屋になるように付けたという。みそ蔵に並ぶ年代物の大きな木おけは今も現役だ。木おけに付いた微生物が味わいを深くするという。

売店で量り売りするのは、発酵を止めるための酒精を添加しない「生みそ」。1番人気は昔ながらの田舎みそ「こしひかり米赤つぶ」。半年から約1年で熟成する赤みそで、こうじの粒々が残る。2番人気は「こしひかり米白こし」。濃厚な風味の赤に対し、白みそは熟成期間が3カ月から半年ほどであっさりとした味わい。具材によって味が変わるという。大豆1に対しこうじ2と、こうじを多く配合する甘めのみそもある。

「みそは人の手と微生物、時間が作り上げる。発酵食品は気候の変動や微生物の兼ね合いで変化するため熟成のタイミングを図るのが難しい」と味や色味が安定したみそを造るため日頃から管理を徹底する。発酵に欠かせないこうじは「こうじぶた」と呼ばれる木製の箱で3日かけて造る。ポイントは、煮てすりつぶした大豆とこうじと塩を混ぜて仕込む際に入れる酵母菌。「発酵むらがなく、バランスよくできる」と品質向上につながっている。

売店には、自慢のみそを使ったシフォンケーキやかりんとうなどの加工品も並ぶ。こくのある「味噌ソフトクリーム」は通年で販売する。10月から翌年6月まで開くみそ造り教室は人気で、小学生から年配の人まで幅広い世代が参加する。 

■お出かけ情報
ヤマイチ味噌
▼牛久市島田町2713
▼営業時間は午前8時~午後5時半、土曜・日曜・祝日は午前10時~午後5時
▼(電)029(875)0002

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