北茨城「盆船流し」 故人の霊慰め海へ

茨城新聞
2019年8月17日

新盆を迎えた家が、故人の霊を船に乗せ海に送る「盆船(ぼんぶね)流し」が16日、北茨城市の大津漁港で行われた。仏花やちょうちん、ホオズキなどで飾られた木製の盆船20隻が浮かべられ、故人の親類らが手を合わせた。

盆船流しは同市大津町に江戸時代から伝わる先祖供養の伝統行事で、県指定無形民俗文化財。式典が午前6時から開かれ、読経やじゃんがら念仏踊りで供養した。その後、長さ2メートルほどの盆船を漁船が沖合にえい航した。

盆船はかつてわらで造り沖に流していたが、現在は木製で、海を汚さないよう回収している。

大津町の鐵芳之さん(63)は、1月に亡くなった母光子さん(享年92歳)を親類総勢20人で送った。鐵さんは「父と一緒に水産加工の仕事を頑張ってきた人だった。安らかに眠ってほしい」と話した。

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