いだてん弥彦が看板に 那須塩原・三島神社 日本人初の五輪陸上代表 市在住漫画家が制作

下野新聞
2019年1月30日

 【那須塩原】陸上短距離の日本代表として初めて五輪に出場した三島弥彦(みしまやひこ)を描いた看板が27日、三島5丁目の三島神社に設置された。放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に主要人物として登場するなど、弥彦を含む三島家の活躍が再注目される中、同神社の相馬秀和(そうまひでかず)宮司(72)から依頼を受けた市在住の漫画家にわのまことさん(54)が制作した。

 看板は縦65センチ、横91センチのアルミ複合板製。参道の左手に設置された。相馬宮司は「大河ドラマが始まり、問い合わせも多くなった。看板の設置により、三島神社が新たな観光名所になるかもしれない」と期待を寄せている。

 にわのさんは、週刊少年ジャンプなどに連載経験を持つ。格闘漫画が多い自身の作風を活かし、日の丸を胸に躍動感ある走りを見せる弥彦を描いた。にわのさんは「参拝客の目を引くような迫力ある看板にした」と話す。

 弥彦は、明治時代に栃木県令を務め那須野ケ原開拓に尽力した三島通庸(みしまみちつね)の五男で、1912年のストックホルム五輪に出場した。「いだてん」では、俳優生田斗真(いくたとうま)さん(34)が演じる。共に出場したマラソン選手金栗四三(かなくりしそう)の盟友として、「運動会の覇王」と呼ばれた優秀な身体能力などが描かれている。

 同神社は、厳しい行政手法から「鬼県令」とも呼ばれた通庸を祭る全国唯一の神社とされる。放送開始後、観光関係者から写真の提供依頼が来るようになるなど、注目が高まっているという。

 相馬宮司は「大河ドラマによって(鬼県令の)印象が変わるかもしれない」と期待し、「三島家に再注目してもらえる中、魅力的な弥彦の看板を設置したことで神社に親しむ方が増えればうれしい」と話している。