三猿の彩色作業進む 9月末まで修理公開 日光東照宮

下野新聞
2016年9月15日

 「見ざる、言わざる、聞かざる」で知られる日光東照宮の彫刻「三猿」の修理が着々と進んでいる。14日からは3体の猿の彩色作業が始まり、修理が公開されている西回廊には大勢の参拝客が詰め掛けた。

 「三猿」を含む猿の彫刻8面は6月、65年ぶりに国重要文化財「神厩舎(しんきゅうしゃ)」から取り外され約9カ月間の修理に入った。「三猿」は9月末まで作業を公開中で、漆や胡粉(ごふん)での下地作りや猿の周囲の彩色が行われた。

 西回廊ではこの日、日光社寺文化財保存会の彩色専門技術者沢田了司(さわだりょうじ)さん(66)が熟練の筆さばきで「聞かざる」の猿の体を茶色に塗った。今後2回の下塗りを繰り返し、細部の仕上げは工房で行う予定だ。

 修理に見入った新潟県三条市南四日町1丁目、会社員横沢由唯(よこざわゆい)さん(29)は「間近で修理を見られて感動した」と笑顔。沢田さんは「修理工程の5割ほどを終えた段階。参拝客の前で作業し、身が引き締まる」と話していた。

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