下妻・ペンヤ食堂 祖父の代は万年筆屋

茨城新聞
2016年9月1日

丁字路の一角に立つ茶色の建物。2階部分の壁面に赤い文字が三つ張り付けてある。「ペンヤ」。見た人は一瞬、文房具屋かと思うだろう。だが、どうやら食堂らしい。のれんが下がり、何よりもさまざまなメニューを模したディスプレーがある。文房具屋がお客さんのために食べ物屋を始めた-。そんなストーリーが浮かんだ。

関東鉄道常総線下妻駅から西に向かって5、6分。ペンヤは商店街の中央に位置する。引き戸を開けて店に入ると、店主の清水直行さん(54)と母親の久江さん(82)が開店準備に追われていた。その手をしばし休めて、2人が店名の由来を教えてくれた。

「もともとは祖父がここで万年筆屋を開いたんですよ。この周辺には小学校や高校があり、裁判所があるので法律関係の事務所も多かった。事務をする上で、万年筆は必需品でした」と直行さん。祖父は万年筆を製造し、ハーレーダビッドソンを乗り回すハイカラな人だったそうだ。

祖父が亡くなった後、久江さんが家具職人だった夫の一雄さんと始めたのが「ペンヤ食堂」だった。1967年のことだ。

直行さんは「子どもの頃から、皆から『ペンヤ、ペンヤ』と呼ばれていました。違和感はなかった」と笑う。自身にとって食堂を継ぐことに抵抗はなく、専門学校を出た後、都内の中華料理店や洋食屋で腕を磨いた。父の体調不良を機に下妻に戻った。26歳だった。

それから28年。もつ煮込み定食や昔ながらのラーメンなど、ペンヤ食堂のメニューは創業当時と変わらない。「3代続いて来てくれるお客さんもいます。両親が始めた形を受け継いでいきたい」と直行さん。

かつては人通りが絶えなかった商店街通りも、時代の流れで寂しくなった。にぎわいが戻ってくれればとの一念で、今日も厨房(ちゅうぼう)で料理に向き合う。

同店は下妻市下妻丁114の2。午前11時~午後7時半。火曜日定休。(電)0296(44)2808

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