千波公園 にぎわい創出 ランナー向け施設 ドッグラン

茨城新聞
2016年5月30日

若者から高齢者まで幅広い世代に親しまれる千波湖周辺のさらなる魅力向上につなげようと、水戸市は本年度から同地域に広がる「千波公園」の利便性を高める環境整備に乗り出す。ランナー向け施設新設やドッグラン設置に加え、駐車場拡張や雨水排水設備の整備による大規模イベント開催などを促していく。豊かな自然と歴史を生かした観光交流拠点として、同地域のにぎわい創出を目指す方針だ。

千波公園は千波湖を中心とする周辺の公園や県民文化センターなどで構成される85・4ヘクタールに及ぶ公園緑地。週末には多くの家族連れやランナーらが湖の周回コースや点在する公園などを利用するほか、4月には千波湖が環境省から多様な生物の生息環境が整う「重要湿地」に選定されるなど、幅広い世代の憩いの場として定着している。

ただ、周辺には駐車場が少ない上に、地下水位が高く降雨後の使用が制限されてしまうことから、イベント会場としての利用が進まなかった。このため、市は本年度「水戸市偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画」を策定。2023年度までの8年間で約8億円の概算事業費をかけ、利便性向上への整備を進める。

具体的には、蒸気機関車を展示する南西側の「ふれあい広場」と「少年の森」、南側の「湖南坂」などの駐車場を拡張。これまで最大577台だった駐車台数を、約1・5倍の862台に増やす。水戸城の外堀で中心市街地に隣接する北側の「西の谷」の駐車場には、大型バスの乗り入れを可能にする改修を行い、団体客誘客を促す。

また、ランナー利用が多いことから、着替えのできるロッカールームを備えた「ランニングステーション」を整備する。ふれあい広場近くに男女別に部屋を仕切った建物を新設し、有料ロッカーを50~100基分設置する。防犯面から管理者も常駐させる。施設の稼働状況を踏まえ、将来的に北東側のテニスコート近くに、2号棟新設も検討していく。

このほか、ふれあい広場には大規模イベントを誘致するため、降雨後の地盤改善を図る雨水排水施設を整備する。少年の森では大型遊具の拡充に加え、隣接する国有地約3800平方メートルを本年度中に取得し、ドッグランも設置していく。南側の市研修センター跡地には展望広場も造る計画だ。

市公園緑地課は「千波湖周辺の観光資源は歴史と自然の特色を備えた重要な場所。課題を解消しながら、さらなる魅力を創出していく」としている。

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