《路線バス 終点を行く(4)》妙義ふれあいプラザ(富岡) 四季の風景映す岩山

上毛新聞
2016年5月20日

ㅤ上毛三山の一つ妙義山。日本三大奇勝にも数えられ、木々の新緑や花畑、紅葉と、四季折々変わる風景に岩山が映える。国重要文化財の荘厳な妙義神社もあり、観光や信仰の山として多くの人々を引きつける。
ㅤ妙義山へ向かう路線バス菅原線は、上信電鉄上州富岡駅から市中心部を経て北西に上っていく。市妙義庁舎を過ぎると、眼前に妙義山の主峰、白雲山が迫ってくる。
ㅤ県道妙義山線を上り切ると、日帰り温泉「妙義ふれあいプラザ『もみじの湯』」に到着。ここからバスは来た道を戻り、さらに菅原集落へ向かうが、妙義観光の拠点であるプラザを目指す観光客が多く、“終点”の役割も果たしている。
ㅤプラザ近くの市妙義ふるさと美術館前では4月後半、菜の花畑が見頃を迎え、観光客を楽しませた。千葉県野田市から観光バスで訪れた中高年グループは、早朝から岩場の石門巡りと妙義神社までの山歩きを楽しみ、温泉で汗を流した。「目の前の岩山と景色が素晴らしい。また来たくなる」。妙義の魅力を堪能したようだ。
ㅤ美術館3階の展望台に上がると、北から南に赤城山や榛名山、稲含山を望み、西側に白い大の字を掲げる白雲山や金洞山が迫る。美術館脇から同神社入り口へと下る散策路は新緑に包まれている。165段の石段を上った先にある黒漆塗り権現造りの本殿は、岩山を背に重厚な雰囲気を醸し出す。参詣者は石段をゆっくり上ると、社殿の前で静かに手を合わせた。

【菅原線】上信バス路線の廃止により、富岡市の補助を受けて上信ハイヤーが1996年から運行。10人乗りワゴン車で、上州富岡駅から妙義ふれあいプラザまで43分、菅原まで55分。料金は両区間とも700円

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