《まち歩き・里歩き》スタート 道の駅 水紀行館(みなかみ町湯原) 谷川連峰の雄姿一望
ㅤ歴史ある温泉やアウトドアスポットなど、新旧の観光地に恵まれたみなかみ町湯原地区。南北に通る利根川には谷川連峰の雪解け水がよどみなく流れる。道の駅「水紀行館」を出発し、川を渡るさわやかな風を感じながら一帯を歩いた。
ㅤ水紀行館はレジャー施設が整備され、水産学習館(有料)は、利根川水系の魚を中心に展示。活性化センターでは高さ約7メートルのクライミングウオール=写真=や、そば打ち(ともに有料)が体験できる。農産物や土産物も取りそろえ、地元の味をPR。山菜を中心に納品している伊藤いしえさん(75)から、「谷川岳を眺めるには笹(ささ)笛橋付近がお薦め」と聞き、川沿いを下流に向けて歩き出した。
ㅤ笹笛橋のたもとには、与謝野晶子が訪れた時に詠んだ短歌や詩の歌碑が並び、公園として親しまれているようだ。笹笛橋からは、残雪を抱く雄大な谷川連峰と、豊かな水をたたえた利根川を一望できた。
ㅤ遊歩道を上流に向かい、紅葉橋を渡って水上温泉街を進むと、左手に「山岳資料館」の看板が目に入った。建物の2階に上がると、水上山岳会の木村一夫さん(64)が、谷川岳に関連した登山家の道具や遺品、写真などの展示内容を説明してくれた。谷川連峰の大きなジオラマも見所だ。木村さんは「有名な登山家は谷川で育っている。歴史や功績も知ってほしい」と話す。
温泉街中心部に掲げられた大きな案内図を見ると、「水上歴史民俗資料館」「旧戸部家住宅」が近くにあるようだ。路地を進むと、かやぶき屋根の旧戸部家住宅が見えた。国指定重要文化財の同住宅は、18世紀前半に川場村で建てられた農家の住居を、1973年から74年にかけて移築したという。中に入ると土間やかまど、うまやなどがあり、どこか懐かしいにおいがして、先人の暮らしに思いをはせた。
路地を散策しながら温泉街に戻り、地元のガラス工芸家、畠山太雅(たいが)さん(36)の工房「タイガグラス」に入った。ペンダントやヘアゴムのアクセサリーが並び、小さな丸いガラスに華やかで繊細な模様が広がる。軽くて透明度が高いボロシリケートガラスを炎で熱し、数百種類の色ガラスや金、銀で模様を彩るという。体験教室(1人4千円)もにぎわい、2人から予約できるという。
温泉街の湯原温泉公園に足湯があると聞き、疲れた足を癒やしに向かった。源泉掛け流しで、湯に足をつけると体がぽかぽかして、疲れが抜けていく。SLに乗って来た柳沢和也さん(38)一家や、足湯を共にする人たちとのおしゃべりに心も和んだ。
≪コースの特徴≫
アップダウンのある、およそ3キロのコース。利根川沿いの遊歩道は未舗装が多い。
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