斎藤隆三の功績振り返る 資料や絵画展示 茨城県五浦美術館

茨城新聞
2022年10月11日

茨城県守谷市出身の歴史家、斎藤隆三(1875~1961年)に注目し、ゆかりの品を一堂に展示する企画展「再興院展の立役者 齋藤隆三」が8日から、北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開かれている。これにちなんで7日、斎藤の次男、彰男さん(86)らを招いたオープニングセレモニーと内覧会が開催された。

隆三は近世史の研究者として多くの著作を手がける傍ら、五浦を拠点とした岡倉天心や横山大観、菱田春草らと交流し、活動を支援した。同展では、日本美術院の再興に力を注いだ隆三の人生や功績を、書簡や絵はがき、書籍などの資料と絵画や美術品を合わせた128点で振り返る。

初公開を含む隆三の旧蔵品をはじめ、日本美術院の歴史を飾った大観や春草、小川芋銭、下村観山などの代表作を展示。国指定重要文化財「十六羅漢像」など、隆三が評価した古美術なども並ぶ。

7日に行われた内覧会で、彰男さんは同館の担当学芸員とともに展示作品を鑑賞。「美術史に残る素晴らしい作品とともに、父の大切にしてきたものを公開する機会をいただいた。大変うれしい。長生きしてきたかいがあった」と開催を喜んだ。

11月27日まで。午前9時半から午後5時。月曜休館(10日は開館、11日は休館)。