写真展やシンポ プラネタリウム誕生100年前に 茨城・日立

茨城新聞
2022年9月18日

近代プラネタリウム誕生から100年を目前に、茨城県日立市幸町の日立シビックセンター天球劇場を中心に記念イベントが開かれている。世界中で撮影された星空の写真などが展示されているほか、プラネタリウムの機器製作者や番組製作者、解説員らによるシンポジウムなどを予定。主催の日立市民科学文化財団は「プラネタリウムの魅力や裏側を知ってほしい。星は身近にあることが伝われば」と期待する。

近代プラネタリウムは1923年にドイツで発明された。天井がドーム形のスクリーンになっており、投影機で星を映し出す仕組み。同センターの天球劇場は90年12月に開館したプラネタリウムで、幅広い年代に親しまれている。

近代プラネタリウム誕生100年企画の主な会場となる日立シビックセンター天球劇場(日立市民科学文化財団提供)

 

同センター科学館地下1階オリエンテーションルームでは、25日まで「KAGAYA(カガヤ)星空アート展」を開催している。プラネタリウム映像クリエイターで星景写真家のKAGAYA氏が撮影した、A1サイズの写真約20点などを展示する。星図入りのパネルも添えられている。

同氏は国内外で撮影をしており、茨城県では大洗町の「神磯の鳥居」に昇る月を写した作品も並ぶ。映像作品と撮影現場の様子について、会場では動画で流している。入場には科学館か天球劇場の入館料が必要。

24日には、天球劇場でシンポジウム「プラネタリウムにときめく人たち」を開催する。プラネタリウム機器「メガスター」開発者の大平貴之氏と、KAGAYA氏、兵庫県明石市立天文科学館長の井上毅氏らがパネラーとなり、今後のプラネタリウムに関して語り合う。定員200人で、同センターホームページから予約する。一般千円、高校生以下800円。

このほか全国で活躍する、プラネタリウム解説員「プラネタリアン」を招き、星空や宇宙に関する生解説を天球劇場で行う。23~25日は井上氏や、山梨県の「星つむぎの村」代表理事の高橋真理子氏などが出演する。予約制で一般500円、高校生以下200円。12月から来年3月までにも解説者を招く予定。

同財団科学館事業課の前島知美主事(32)は「近代プラネタリウム誕生100年で全国で企画がされる中、日立市が皮切りになっている。日立市を出発に、プラネタリウムの魅力を感じてほしい」と呼びかけた。

問い合せは同科学館(電)0294(24)7731。