茨城・鹿嶋にバッテラ専門店オープン 市支援事業を活用
茨城県内では珍しいサバの押しずし専門店「ばってら 福」が11日、鹿嶋市宮中の「大町通り」にオープンした。市の「チャレンジショップ支援事業」補助金を活用した事業者は8店舗目。オーナーの榎本幸さん(45)は、和歌山県で食べたバッテラに感動。まちづくり会社「まちづくり鹿嶋」の支援を受け、独立を実現させた。
バッテラは、酢飯の上に薄く切った締めさばと昆布を重ね、木枠で押したすし。大阪府など近畿地方で広く伝わる。
榎本さんは同市出身。二十数年前に立ち寄った和歌山県内の飲食店で、バッテラに出合い「こんなにおいしいものがあったんだ」と魅力に取り付かれた。義母に作り方を教わり、家族らに振る舞ううちに、いつしかお店を出したい気持ちが芽生えたという。
店内は木目を基調とした落ち着いた空間。バッテラは税抜き1本750円。ほかに、いなりセット(大・小)や日替わりスープもある。メニューは今後追加する予定で、インターネット販売も計画している。
材料のサバは東京・豊洲市場から仕入れ、コメは地元産を使用。榎本さんは「(バッテラは)臭みがなく、青魚が苦手な人でも食べやすい。自信を持って提供できる」と胸を張る。
開店に当たって、榎本さんは「人との縁を大切に、緩く長くお付き合いいただきたい」と笑顔を見せた。
営業時間は当面の間、午前11時から午後7時。定休日は火曜日。不定休あり。新着情報はインスタグラム(huku_1286)などで発信している。問い合わせは(電)090(6159)3922。
チャレンジショップ支援事業は2020年度に開始。空き店舗の利用促進や新たなにぎわい創出により中心市街地を活性化することを目的に、改修費や店舗賃借料など上限300万円が補助される。市商工観光課によると、年度内にもう1店舗の開業が予定されているという。