新鮮さが違う幸運な瞬間 店主が釣ってきたシリーズ 手打ちうどんそば 讃岐(宇都宮)
下野新聞
2022年7月6日
いつもあるわけではない。あるときには爆発的に売れる。讃岐うどんで有名な老舗で、知る人ぞ知る人気の定食「店主が釣ってきたシリーズ」。値段はどれも千円前後。偶然食べられた人は運が良い。
海釣りが趣味の2代目店主、香川正樹(かがわまさき)さん(48)が自ら釣ってきた魚をさばく。昨年はタチウオやマグロ、カツオなどが計5回、定食の華を飾った。交流サイト(SNS)にアップすると、1週間ほどで売り切れる。
今季は6月下旬、伊豆七島の利島沖で7キロ超のカツオ1匹と20キロ超のキハダマグロ2匹を釣り上げた。運良く店で両方食べられた。カツオの刺し身はぷりぷり。かんだ瞬間に新鮮さが分かる。冷凍前の生マグロを食べられる機会はめったにない。それだけで心が躍る。
もちろん、メインはうどん。コシのある麺と風味豊かなだしは、讃岐うどんの本場、香川県出身の父から受け継いだ。そば好きの多い本県に合わせてそばも出す。「ここを手抜きしたら本末転倒」と粉を吟味し、自家製麺にこだわる。
「『今度はいつ釣ってくるの』と、お客さんのプレッシャーがすごい」と香川さん。店のインスタグラムかフェイスブックをフォローし、情報をキャッチするのが最も確実だ。