高際翠邦さん遺作展 刻字界発展に尽力 宇都宮で25日から

下野新聞
2022年5月21日

日本刻字協会最高顧問を務めるなど刻字界の発展に尽力し2020年6月、92歳で亡くなった栃木市の書家高際翠邦(たかぎわすいほう)さんの遺作展(大鵬会主催)が25~29日、宇都宮市の県総合文化センター第1ギャラリーで開かれる。

高際さんは20代で茨城県古河市の故大久保翠洞(おおくぼすいどう)さんに師事して刻字を始め、本県を代表する書家の選抜展「栃木の書壇50人展」にも晩年まで毎年出品するなど精力的に活動した。1993年の県刻字協会設立に力を注ぐなど本県の刻字文化をけん引した一方、中央でも重職を務めた。

三回忌を迎えることから企画された遺作展。会場には81年に毎日書道展で準大賞を受賞した「楚辞」などの作品約50点のほか、愛用した筆やすずりなどを展示する。また印譜のコレクターとしても知られ、800年頃の中国の漢銅印譜や清朝末期の篆刻(てんこく)家徐三庚(じょさんこう)の木印など所蔵品も展示する。

本名・高際邦正(くにまさ)。1928年生まれ。毎日書道会顧問、県刻字協会最高顧問、下野書道会顧問などを歴任。