ウクライナ支援の料理「食べて」 茨城・八千代の温泉施設が提供

茨城新聞
2022年4月29日

■ボルシチ、キーウ風弁当 寄付金付きで

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナの国民を支援しようと、茨城県八千代町松本の温泉施設「八千代グリーンビレッジ憩遊館」は22日、寄付金付きのウクライナ料理の提供を始めた。農業が盛んな町の特色を生かし、地元の農産物を使った料理を食べてもらい、売り上げの一部はウクライナの人道支援のために寄付する。

憩遊館は天然温泉や農産物直売所などを備えた複合施設。ウクライナ料理は館内のレストランで提供する。都内でミシュラン星付きの店で腕を振るった経験を持つシェフ、照沼圭介さん(44)が試作を繰り返し、八千代産野菜のボルシチ(千円)と、キーウ(キエフ)風チキンカツ弁当(700円)の2品を完成させた。

ウクライナ発祥とされる煮込み料理ボルシチは、地元産のキャベツやアスパラガスを具材に、酸味のあるサワークリームを温泉卵に代えて日本人好みにアレンジした。

キーウ風弁当は、鶏胸肉にガーリックバターやベーコンを巻いた大きなチキンカツが目玉。バターの香りが広がり、地元産のコメに合う味付けを目指した。

困難に直面するウクライナ国民に対し、「何か協力できることはないか」と施設スタッフたちがアイデアを出し合い、地元農産物を絡めた企画を打ち出した。ウクライナ料理の売り上げは1食に付き100円を寄付に充てる。最終的には、町から日本赤十字社を通じて人道支援に役立ててもらう考えだ。施設には支援のための募金箱も設置している。

憩遊館と指定管理者が同じ下妻市の温泉・宿泊施設「ビアスパークしもつま」で働く照沼さんは、「親しみやすい味付けにした。いろいろな人に食べてほしい」と語った。

憩遊館の運営責任者、松沢章さん(46)は「戦争に巻き込まれ、ウクライナの人たちは困っている。人ごとじゃないと思い、何か協力で