若冲作品16点一堂に 茨城県近代美術館 日本美術を堪能

茨城新聞
2022年4月29日

茨城県近代美術館(水戸市千波町)の企画展「若冲(じゃくちゅう)と京(みやこ)の美術-京都 細見コレクションの精華」が同館で開かれている。「奇想の画家」として人気の高い江戸時代の絵師、伊藤若冲の作品16点が同館でまとめて展示される初の機会で、そのほか室町時代の国指定重要文化財を含む日本美術の名品が紹介されている。会期は6月12日まで。

会場には、細見美術館(京都)所蔵の90点が並ぶ。目玉は、若冲の初期作品「雪中雄鶏図」(前期のみ展示)から晩年の水墨画まで、画業を一望できる16点。若冲の代名詞となっているニワトリや、ユーモラスに描かれた子犬やネズミ、野菜など、極彩色から墨の濃淡まで、細緻極まる筆遣いを鑑賞できる。

このほか、若冲を生んだ「京」の歴史や文化を伝える美術品として、琳派(りんぱ)の作品や風俗画、書蹟、茶道具など、国指定重要文化財2点を含む名品が展示され、日本美術の奥深さに触れることができる。

若冲に着目し、収集を続けてきた細見美術館の細見良行館長は「間近で鑑賞し、若冲の技術の高さやユーモアなどを感じてほしい」などと話している。

午前9時30分~午後5時。月曜休館(5月2日は開館)。一般1210円、70歳以上600円、高大生1000円、小中生490円。土曜は高校生以下無料。日時指定WEB整理券を取得すると入場が優先される。