放菴と寛方作品一堂に 佐野 吉澤記念美術館で企画展
【佐野】明治から昭和期に活躍した日光市出身の小杉放菴(こすぎほうあん)とさくら市(旧氏家町)出身の荒井寛方(あらいかんぽう)の作品が一堂に会した企画展「放菴と寛方」が、葛生東1丁目の吉澤記念美術館で開かれている。3月6日まで。
県立美術館所蔵の作品を県内各市町で公開する「アートリンクとちぎ2021」の一環。展示室を作家別に区切り、初期から晩年に至るまでの2人の作品計30点を紹介している。
放菴の「金太郎遊行(きんたろうゆぎょう)」はクマに乗った金太郎のはつらつとした表情が特徴の洋画。日本画家としても活躍した放菴は童話が題材の作品も多く、日本画として描いた別の展示作品「童話・金太郎」との違いや共通点を探す楽しみもある。
生涯を通して仏画を描いた寛方の絵は、インド訪問の影響が画風に表れる。初期に描いた来迎図「阿弥陀(あみだ)」の仏は淡く優しい表情だが、訪問後に描いた「孔雀明王(くじゃくみょうおう)」は色鮮やかで、魅惑的な仏が表現されている。
吉澤記念美術館の大平有希野(おおひらゆきの)学芸員は「県北出身画家たちの作品を県南でまとめて見られるまたとない機会だ」と話した。
午前9時半~午後5時。毎週月曜と2月24日休館。観覧料一般520円、大学生以下無料。(問)同館0283・86・2008。