サバ缶70種類超、オリジナルも販売 茨城・行方の農産物直売所

茨城新聞
2022年1月4日

 ■原田店長「魅力伝えたい」

茨城県行方市麻生の農産物直売所「やさいの声」が、サバ缶に特化したコーナーをつくり、話題になっている。店長の原田武司さん(47)が個人的な趣味から集め始めたのがきっかけで、現在では70種類を超えるサバ缶が並び、その数は増え続けている。最近では自ら「サバ缶店長」と名乗り始めた原田さんは「日本中のおいしいサバ缶を探し続けたい」と意気込む。

東京出身の原田さんは、大学卒業後、就職で鹿嶋市に移住した。転機が訪れたのは2011年。当時勤めていた会社を退職し、義父が始めようとしていた農産物直売所の店長を任されることになった。

オープンから数年後、原田さんが「サバ缶に覚醒」する出合いがあった。偶然、酒のつまみで高木商店(神栖市)のサバ缶を食べたところ「こんなにうまいサバ缶があるとは」と衝撃を受けた。

そこから全国のサバ缶を集め始めた原田さん。ところが「通販で買うと送料がかかる。(指定額以上を買い)送料無料にしようとするといくつも購入することになる」ことに頭を悩ませた。そこで「だったらもう直売所で売ってしまおう」と思い切った結論を出し、商品として仕入れて販売するようになった。

同店に並ぶサバ缶は、いずれも原田さんが実食しておいしいと判断したもの。昨年12月27日時点では76種類が並び、売り場の4分の1近くを占めている。原田さんは「お客さんからは(店名の)『やさいの声』というより『サバ缶の声』ですねと言われるようになった」と笑った。サバ缶に特化した品ぞろえは評判を呼び、県内はもちろん、東京や神奈川など、関東一円から来客があるという。

埼玉県から夫婦2組で訪れた男性(54)は「少なくとも2カ月に1度は来る。サバ缶がたくさんあるので、選ぶ楽しみがある」と話した。

サバ缶好きが高じた結果、今年8月には高木商店の全面協力でやさいの声オリジナルのサバ缶を開発。500グラム以上の大ぶりのサバを新鮮なうちに加工した一品で、味噌(みそ)煮・水煮・カレーの3種類がある。来年には第2弾の販売も予定しているという。

原田さんは「茨城はサバの一大水揚げ地で、健康にも良い。これからもサバ缶の魅力を伝えたい」とした上で「差し当たり、店頭に100種類そろえることが目標」と話した。

営業時間は午前9時半~午後6時。定休日なし。

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