「島守の塔」県内ロケ終了 撮影5市町、県民協力300人 荒井退造役村上淳さんら 「期待上回る映画に」
太平洋戦争末期に沖縄県知事だった島田叡(しまだあきら)と、沖縄県警察部長を務めた宇都宮市出身の荒井退造(あらいたいぞう)らの姿を描く映画「島守の塔」の撮影が27日、栃木市内で行われ、県内5市町でのロケが終了した。2022年の公開に向け、撮影は12月まで沖縄県などで行う。
本県ロケ最終日は、同市入舟町にある明治時代の豪商屋敷「横山郷土館」などが舞台となった。俳優村上淳(むらかみじゅん)さん(48)演じる退造が、妻きよ子(こ)役の岩瀬晶子(いわせあきこ)さん(宇都宮市出身)と、官舎で古里の本県に思いをはせる場面などを撮影した。
作品を巡っては、新型コロナ禍による1年8カ月の休止、全国約2500件に上るサポーターからの支援寄付を経て、18日に本県で撮影が再開された。宇都宮市の大谷資料館や市貝町の入野家住宅、佐野、鹿沼両市でもロケが行われ、沖縄戦の場面などで延べ300人を超える県民らが、エキストラで協力した。
村上さんは「再開は非常にうれしく、製作され、上映されてしかるべき作品なのだと感じている。皆さんの期待を上回れるよう精進、まい進している」。五十嵐匠(いがらししょう)監督(63)は「多くの方々に協賛いただいた責任を作品で返したい。(休止の)苦しみをプラスに変え、スタッフ、キャスト一丸となっており、期待してほしい」と力を込めた。