《食いこ》芸術と食、癒やしの空間 アート・カフェ・プローレ(茨城・筑西市)  地産地消こだわり

茨城新聞
2021年10月24日

建築家・隈研吾氏が設計したことでも知られる廣澤美術館に隣接するカフェ「アート・カフェ・プローレ」。美術館を訪れる人や、地元の人にもゆっくりくつろいでほしいと今年4月にオープンした。

オブジェが設置されたカフェの外観

 

アート・カフェの名にふさわしく、店内の壁には写真や絵画など、県内外を中心とした若手作家たちの作品が並ぶ。美術館の雰囲気と調和するように、天井やテーブル、椅子などに木がふんだんに使われ温かな空間が広がっている。

カフェのこだわりは食の「地産地消」。遠方から美術館を訪れる客に茨城の食材の素晴らしさを知ってもらおうと、筑西市産をはじめ、県内産を取り入れたメニューが多い。

厨房で腕を振るうのは、近県の結婚式場などで修業を積んできた同市出身のイタリアンシェフ・飯村正弘同店長(44)だ。茨城県産の小麦粉「ユメシホウ」で丁寧に作られる3種類の生パスタは人気の品で、中でも「常陸牛ミートソース」(1200円)が注文が多い。美術館で名作を鑑賞後、軽めのお昼を楽しんでほしいと、パスタの量はやや少なめで上品な盛り付けとなっている。

生パスタの材料は、同市産の小麦粉と卵、塩、オリーブ油といたってシンプル。ミートソースは、茨城のブランド和牛「常陸牛」に、カフェからほど近い広沢農園で自社栽培された肉厚の原木シイタケがたっぷり使われているのが特徴だ。「春と秋が旬。今ちょうど味が濃くておいしい時季」と飯村店長。店内で販売する原木シイタケだけを買いに来る客もいるほど、自社栽培のシイタケは人気が高い。

また、巡り行く季節を感じてほしいと、同農園で取れたての柿やリンゴ、キウイなどを使った季節限定のジュースもこのカフェならでは。秋限定の甘柿にダージリンティーを合わせ、ホイップクリームを載せた「柿と紅茶のジュース」(500円)もお薦めの一杯。今冬には「キンカン」のジュースも登場する予定という。

「ゆっくりと流れる清らかな時間を アートな空間で癒やしのひとときを」。そんな思いが込められたカフェでは、ほんのひととき日常を忘れられる静かな時が流れている。

■お出かけ情報
アート・カフェ・プローレ
▼筑西市深見146
▼営業時間は午前9時~午後4時30分(モーニングコーヒーは午前9時~11時/中昼食午前11時~午後4時30分)
▼定休日は水曜日
▼(電)0296(22)7710
※廣澤美術館で企画展「華麗なる洋画の世界」(後期)が開催中。会期は12月12日まで。

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