「YS11」ゆっくり前進 戦後初の国産旅客機 格納庫床塗装で移動 筑西
茨城新聞
2020年8月11日
来年春の展示公開に向けて組み立て作業が進められている戦後初の国産旅客機「YS11」のトーイング(けん引)が6日、筑西市茂田のザ・ヒロサワ・シティの格納庫内で行われた。作業員ら十数人が見守る中、機体はフォークリフトに引かれ、ゆっくりと右旋回しながら約10メートル前方へ移動した。
今回の移動は、格納庫の床面塗装に伴うもの。機体組立を担うエヌエス航空技術総研(東京都品川区)が作業を監督した。同社代表社員、土橋健壽さん(71)は「機体の全幅は32メートルで、格納庫の幅は37メートルしかない。翼を壁にぶつけないよう注意して、慎重に移動した」と説明した。
母親と妹、弟の家族4人で見学に訪れた同市の小学1年、谷中芽咲さん(7)は「飛行機が動くのを初めて近くで見られて楽しかった」と感想を話した。
同機は9月中旬に、尾翼と機体を接続する予定。また機体を保有する国立科学博物館(東京都台東区)は、組み立て作業費を調達するためのクラウドファンディングを実施。市民に広く協力を呼び掛けている。
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