観覧車 17日から運行 那須・りんどう湖ファミリー牧場 「新たなシンボルに」 大阪・みさき公園から移設

下野新聞
2021年7月14日

 【那須】高久丙の那須高原りんどう湖ファミリー牧場は、昨年3月に閉園した大阪府岬町の「みさき公園」から移設した観覧車の運行を、17日に開始する。1965年の開園以来、同牧場に観覧車が設置されるのは初めて。海沿いのみさき公園のランドマークとして長く愛された観覧車が、那須連山を望む地で再出発する。

(生澤一浩(いけざわかずひろ))
 観覧車は高さ約30メートル。4人乗りゴンドラ18台を備える。同牧場中央の小高い丘に設置し、晴れた日には那須連山や湖を一望できる。公募によって観覧車の名称は「Rindoko Big wheelらんらん車」に決まった。

 みさき公園は1957年開業。動物園やプールを備えた総合遊園地として親しまれたが、2019年に母体の南海電鉄が事業撤退を発表。遊具業者の仲介で、同牧場を運営する那須興業が観覧車を引き取った。

 移設や修理の費用約2億円は同社や遊具業者が負担した。同社の矢澤剛志(やざわごうし)社長(46)は「大きな投資だったが、新たなシンボルが欲しかった」と話す。

 観覧車の高さや形は、みさき公園にあった時と同じだが、ゴンドラの色は同牧場の世界観「小さなスイス」に合うよう塗り直した。イルミネーションも取り付け、音楽と連動した演出を用意している。

 同牧場は観覧車に先駆け、昨夏閉園した東京・としまえんの大型立体迷路も移設した。矢澤社長は「使われなくなった遊具の再生は、コスト低減だけでなくSDGs(持続可能な開発目標)につながる。みさき公園の関係者やファンの思いを引き継いでいければうれしい」と話している。

 17日の営業時間は午前9時半~午後8時半。観覧車の乗車料は600円(入場料別)。運行開始を記念し、同7時半から30分間、花火を打ち上げる。(問)同牧場0287・76・3111。

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