予約急増 笑顔も満開 とちぎ海浜自然の家 ドラマ「ドラゴン桜」撮影

下野新聞
2021年6月24日

 県内などで撮影されTBS系で放送中のテレビドラマ「ドラゴン桜」のロケ地の施設がファンの間で話題を呼び、利用増につながっている。その施設は茨城県鉾田市にある「とちぎ海浜自然の家」。野中和明(のなかかずあき)所長は「『ドラゴン桜』のロケ地を見たいと予約してくださる方がかなりいる。多くの方に来ていただけるということで喜んでいる」と話している。

 ドラマは4月下旬に始まった。直後の5月から宿泊の予約が増えた。今月23日までに7月は45件、8月は109件の申し込みがあり、お盆までは満室の状態。コロナ禍で落ち込んだ昨年と比べると倍以上という。

 とちぎ海浜自然の家は1992年にオープンした県の教育施設。海なし県の本県の子どもたちが海の自然や海に関わる産業、文化などを学ぶ機会を提供するため設置された。宿泊可能人数(キャンプサイト除く)は、生活館宿泊室が51室400人、ロッジが10棟88人だが、コロナ禍のため、現在は全体で280人程度を上限にしている。一般の人も利用できる。

 宿泊施設のほか、屋内プールやモトクロス広場が整備され、「投げ釣り入門」「砂浜の生物観察」「ライフセービング体験」など50以上ある活動プログラムを体験できる。ドラマの影響による予約増を受け、ロケ地を見学する新しい活動プログラムを考案中だ。

 「ドラゴン桜」は、元暴走族の弁護士が悩みや問題を抱えた高校生と東大合格を目指す学園ドラマ。阿部寛(あべひろし)さんや長澤(ながさわ)まさみさんら人気俳優が多数出演する。毎週日曜日午後9時から放送され、今月27日に最終回を迎える。県内では足利市の旧足利西高でも撮影された。

 ドラマや映画の撮影が行われる公共施設は一般に公開されていない場所もあり、こうした利用増に結びつくことは珍しいという。県内で行われるロケを支援する県フィルムコミッション事業(FC)を担当する県観光交流課は「本県の魅力発信に取り組んでいるので今回のような反響があって良かった」と歓迎している。

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