「山に人を呼び込め」 那須塩原 害獣対策目的にリレーマラソン 一石二鳥狙い来月、初開催

下野新聞
2021年6月23日

 【那須塩原】塩原小中学校そばの里山を舞台にした4時間耐久トレイルリレーマラソン大会「Shiobara UCHINOURA Trail(塩原うちのうらトレイル)」が7月4日に初開催される。過疎化によって人里での出没が増えた野生動物を山奥へ戻すため、山に入って遊んでもらうきっかけをつくることが目的だ。観光活性化策と害獣対策を併せた一石二鳥の取り組みに注目が集まっている。

 発案者は北弥六、会社員酒寄剛史(さかよりつよし)さん(46)。市内のトレイルラン大会開催に関わったことがあり、今年に入って耕作放棄地の利活用に取り組む団体「青空プロジェクトTHE DAY」代表の中塩原、君島陽一(きみしまよういち)さん(40)と出会ったことがきっかけだ。

 里山の保全活動にも取り組む君島さんとの会話から、イノシシやシカが人の生活圏に接近していることを知った酒寄さんは、「山に人を呼べば害獣対策につながる」と大会開催を提案。君島さんの自宅に近い松ノ木平地区の里山を会場とすることに決めた。

 地元のお年寄りの記憶を頼りに、獣の通り道と化した古道を見つけてコースを設定。青空プロジェクトメンバーらの助けも借りて約4カ月かけて整備した。実行委員会も立ち上げた。

 レースは7月4日午前9時、塩原小中学校をスタート。1周約3・5キロのコースを単独か2~4人のリレーで周回し、4時間後の総走行距離で順位を決める。中学生以上が対象。参加費は1チーム6600円。単独参加者同士でチームを組むことができ、その場合の参加費は1650円。

 インターネットのイベント紹介サイト「イー・モシコム」(https://moshicom.com/55332/)から申し込む。27日締め切り。

 実行委は将来的に塩原地区全域約50キロに及ぶコース整備に取り組む方針。会長の君島さんは「山へ遊びに来る人を増やせば動物を遠ざけられる。取り組みが広がればうれしい」と話す。

 (問)ストライドラボ那須0287・74・3134。

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