丸木さん絵本の世界 小山市車屋美術館 挿絵原画など81点並ぶ

下野新聞
2021年5月19日

 【小山】夫婦共同制作の「原爆の図」で知られる丸木俊(まるきとし)さんの絵本原画展が、乙女3丁目の市車屋美術館で開かれている。グリム童話や日本の絵本「おしらさま」など、1970年代に描かれた絵本や挿絵を81点展示している。6月13日まで。

 原画は「世界の童話」「日本の伝統」「創作絵本」の三つに分けた構成で展示されている。岩手県遠野市が舞台の「おしらさま」は、表紙、裏表紙を含めて16点紹介され、同作品のほとんどの原画を見ることができる。展示作品の絵本を読めるコーナーもあり、原画と見比べて楽しめる。

 同館学芸員の五十嵐直子(いがらしなおこ)さん(54)は「修正箇所を確認できるのも原画の魅力。画家の葛藤の跡から息づかいを感じてほしい」と話す。

 市内在住の70代女性は「原爆の図も見に行ったことがあるが、絵本にも情が出ていた。来てよかった」と話した。(問)同美術館0285・41・0968。

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