《釣り》春の大洗、磯場でクジメ 難所攻め待望のアタリ 即アワセ、根掛かり回避

茨城新聞
2021年5月15日

大洗の磯場でクジメが釣れている。通年で釣れるが、4~6月がよく釣れる。地元ではククツと呼んで好まれる。子どもの頃から親しんだ味「クジメの煮付け」が食べたいと、春の大洗の磯場へ向かった。

クジメはアイナメと姿も習性も、釣れる所も似ている。違いは側線がクジメ1本に対して、アイナメは5本。クジメは尾ビレの先端が丸く出っ張っているが、アイナメは内側に切れ込んでいる。体色は赤みがかった焦げ茶色のまだらが多い。最大でも30センチ程度で、通常は20センチ前後が多い。クジメは磯の香りも強い。

今回準備したのは、4・05メートルの投げざおと中型スピニングリール。道糸は、ナイロンライン5号を使った。根掛かりが多いので、当店オリジナルの胴付き仕掛けのワイヤー仕掛け1本針、蛍光レッドの四角錐(すい)型重り25号を付けた。仕掛けをオレンジパイプ、重りを赤やグリーンなどで目立たせるのも効果的だ。餌はもちろん赤イソメ。青イソメより臭いが強く、クジメの特効餌だ。

午前5時、砂浜と岩礁の入り交じった磯場で釣り始めることにする。少し冷たい風があるものの、波は高くない。

磯場から根があるポイントに投げ分けて待つ。スパイクブーツやウエーダー、フローティングベストを着用したい=大洗町

 

 

まず、投げる前にどの辺りに磯があるかを確認。投げた後はリールを少し巻き、糸のテンションを張り気味にしてその場で待つ。糸を巻き過ぎると近くの磯や海草に挟まり、仕掛けの針や重りが取れなくなってしまうからだ。

釣り始めは潮があまり動かず、1時間半ほどしてようやく動きだした。徐々にアタリが出始めたものの本命のアタリではなく、釣れたのは18センチのクサフグ。

根掛かり覚悟で海草が付いている磯の根がきつい所に投げ、20分ぐらい待っていると、さお先がこつんとお辞儀。待望のアタリだ。根に潜られないようアワセを入れると、ぐんぐんと生きのいい手応え。リールを巻き、一気に獲物を引き寄せると、本命18センチのクジメが顔を見せた。

すかさず釣れた所を目掛けてキャスト。10分後にアタリがあり、アワセてリールを巻くと、19センチのクジメが上がった。

釣れたらすぐにエラを切って血抜きをし、内臓を取り出す。歯ブラシなどで背骨付近の血合いをきれいにかき出し、氷水に漬けて鮮度を保つのが肝心だ。

今回は煮付けにしたが、皮をむき、塩焼きにしたり一夜干しにしたりすると、磯臭さが抜けて干しホッケのようなうまみが出る。
(金丸釣具店店長・石田直也)