《旬もの》食用花、彩りと味わい魅力 柴田農園(高萩市) 新鮮な朝採り届ける

茨城新聞
2021年4月5日

ビオラやキンセンカ、アリッサムなど色とりどりのエディブルフラワーがハウスに咲く茨城県高萩市の柴田農園(柴田正雄代表)。エディブルフラワーは食用花のことで料理を華やかに彩る。ハーブ担当の柴田祥平さん(31)が、ナスタチウムやフェンネルなどハーブ類の花も含め年間約25種類を育てる。

食用花は彩りとともに味わいも魅力。「ナスタチウムは辛み、ベゴニアは酸味がある。見た目だけでなく、豊かな味わいを知ってほしい。水耕栽培ではなく、土で育てることで味が濃くなる」と話す。味見させてもらったルッコラの花は、葉と同じごまのような味わい。さらに蜜の甘みが感じられた。食用だから無農薬で薬を使わず虫を防除する。

柴田さんは代々続く農家の生まれ。農学系の大学院を卒業後、就職した食品メーカーで商品開発の仕事に携わった食の魅力に触れ、農業を継ごうと退社。水戸市の農業法人で働いていたときにエディブルフラワーの存在を知った。2019年に就農。研修先の広島県のハーブ農家で花のおいしさに衝撃を受けた。「エディブルフラワーに取り組んでいる人が周囲におらず、挑戦したいという気持ちが強まった」

栽培を始めてちょうど1年。昨年3月、初めて収穫したエディブルフラワーやハーブ、ベビーリーフなどを手に水戸市などの飲食店を巡り、一人で販路を開拓した。2軒からスタートし、県内外の飲食店30軒と取引する。朝採りを届ける新鮮さが強みだ。

家族経営の柴田農園はほかに、花苗や野菜苗、野菜、米など少量多品目栽培の農家。直売やホームページから購入できる。野菜作りに精を出す祖母の千代乃さん(79)は「農園を継いでくれてうれしい。できるだけ協力したい」と柴田さんを応援する。

農園では花苗も手掛ける

 

花苗・野菜苗作りを担う母祐子さん(56)は注文を受けてハンギングバスケットや寄せ植えの製作も行う。ハンギングバスケットの講師資格を取得し、冬と夏に不定期で教室を開く。

今年から、エディブルフラワーやハーブ、ベビーリーフ、サニーレタスなど「見ても食べても楽しめる寄せ植え」の製作販売を始めた。「うちにしかできない」。農園の持ち味を生かそうと意気込む。

メモ
柴田農園
▽住所は高萩市高萩152
▽(電)0293(22)4405
ホームページは
https://shibatafarm.jp

地図を開く 近くのニュース