海外描いた画家の視点 笠間日動美術館、3月7日まで 「異国の景色」展
近代以降の日本の画家が、海外の風景や人物を描いた油彩画などを集めた「異国の景色」展が、3月7日まで笠間市笠間の笠間日動美術館で開かれている。大家から現役で活躍中の作家まで、37人の洋画家らが登場。多彩で個性的な表現が楽しめる。
展覧会は全て同館の所蔵品で構成。「風景」「人」「渡来品」の3コーナーに、油彩画や版画に加え、画家の旅行かばんなどの資料も含め計57点が並ぶ。
うち29点を占める「風景」のコーナーは、大作も多く見応えがある。フランスに渡り、現地で「禅の画家」と紹介されたという木村忠太(1917~87年)の油彩画「ヴァロン」は、水路のある風景を、緑を大胆に使い単純化して描いた。「光を形で捉える画風」と評されたという。
人物を描いた作品では、筧本生さん(1951年~)の「ウィニングスマイル」も目を引く。馬を駆る騎手、柵にもたれる見物人など、複数の人物をデフォルメして描いている。登場人物たちの視線がまちまちなのは、作者の意図したところだという。
「渡来品」コーナーでは、聖人を描いたロシアのイコン画が展示され、宗教的な雰囲気を感じることができる。
同館によると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言期間中の入館者数は、昨年同時期と比べ4割弱にとどまっている。企画を担当した千葉昌子学芸員は「日本の画家たちが、海外で何に引かれ、学び、表現に昇華したのかを感じ取ってもらえれば」と話している。
月曜休館。入館料大人千円。65歳以上800円、大学・高校生700円。中学生・小学生無料。問い合わせは(電)0296(72)2160
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