ファンと再会、心待ち サクソフォン奏者・塙美里さん 2月、水戸でリサイタル コロナで1年延期

茨城新聞
2021年1月21日

世界的なサクソフォン奏者で、常陸太田市出身の塙美里さん(37)が、2月28日に水戸芸術館でリサイタルを開催する。当初は昨年3月に同館で開く予定だったが新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた。塙さんはファンとの再会を心待ちにしている。

塙さんはサクソフォンの本場・フランスで腕を磨いた。低音から超高音域まで暖かな音色を自在にコントロールする技術は高い評価を得ている。昨年2月に出演した、東京オペラシティ(東京都新宿区)のリサイタル「B→C(ビートゥーシー)シリーズ」は満員となった。

順風満帆だった音楽人生は、新型コロナの影響で大きく変わった。

外出自粛期間中は、多くの音楽家が活動停止を余儀なくされ、塙さんも水戸や米ニューヨークでのコンサートが延期になった。それでも「成長することを諦めない」一心で、オンラインでの定演を維持。8月には師事していた原博巳氏の追悼リサイタルを、無観客オンラインで開いた。

また、昨年は文化庁の新進芸術家海外研修制度のためスペインに40日間滞在。再三PCR検査を受けるなど予防に努めながら研さんを積んだ。現地ではリサイタルのほか、奏法を学ぶ場も設けられた。長年憧れていたプレイヤーとも対面し、薫陶を受けたという。

今回のコンサートは得意とするソプラノサクソフォンを中心に、バロックやハープとのデュオ作品をピアノと演奏するのが特徴。自粛期間中に得た多くの知見や経験が反映される内容になりそうだ。

「たったひとつのせかい 塙美里 フレンチ・サクソフォニズム《未来の巨匠》を聴く」は水戸芸術館コンサートホールATM(水戸市五軒町)で、午後4時開演。全席指定一般3千円。チケット予約センター(電)029(231)8000

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