《食いこ》しっとりとバターの香り 和バウムクーヘン工房 つか本(土浦市) 

茨城新聞
2021年1月20日

JA水郷つくば農産物直売所サンフレッシュ土浦店内にある「和バウムクーヘン工房 つか本」。洋菓子のバウムクーヘン専門店ながら、白地に筆文字ののれんが掲げられ、箱入りの贈答品は風呂敷で包むなど、和の雰囲気をつくる。

店内で1本ずつ丁寧に焼き上げており、ガラス越しに製造する様子を見ることができる。甘い香りに包まれる中、女性スタッフが焼き加減を確認しながら、回転する専用のオーブンで生地を重ねて焼いていく。約1時間をかけて、何層にも樹木のような年輪が刻まれたバウムクーヘンが出来上がった。1本は直径約14センチ、長さ約40センチ。それをカットしていく。

店内で1本ずつ焼き上げる

同店を営むのは冠婚葬祭用の贈答品販売などを手掛ける塚本工業(土浦市)。社長の塚本勝則さん(48)は「今までのイメージを覆すような、日本のバウムクーヘンを作ろうと、社員一丸となって研究を重ね、レシピを開発した。たどり着いたのが国産発酵バターをふんだんに使うことと、和の素材や地場産を取り入れること。しっとり、ふんわりしたバウムクーヘンに仕上げている」。国産発酵バターは「普通のバターより風味が良く、しかもくどくない。値段は張るが、おいしさには代えられない」とこだわる。

基本のプレーンに加え、黒糖や抹茶といった和の味わいをそろえる。土浦市産のしょうゆで香ばしさを出した米粉入りも。夏は県産メロンの果汁を搾って2層に焼き上げ、秋は栗やサツマイモを入れるなど、季節ごとのバウムクーヘンも作る。

目を引くのは、土浦市特産のレンコンそっくりのバウムクーヘン。その名も「れんこん姿バウムクーヘン」。レンコンパウダーを生地に練り込んでいる。木箱入り。特別なへらを使って節を作るのが難しいという。時間がかかるため受注生産。3日前までに予約する。

同社は塚本さんの父親が1972年東京都内で輸出業として創業。80年土浦市に国内向けギフト部を開設。2003年営業拠点を阿見町に移した。約10年前から飲食店関連事業に進出。つくば文化会館アルス(つくば市)に入る県つくば美術館のカフェ運営やコーヒー豆の通販を行う。

■お出かけ情報
和バウムクーヘン工房 つか本
▼住所は土浦市小岩田西1の1の11 JA水郷つくば農産物直売所サンフレッシュ土浦店内
▼営業時間は午前9時半~午後6時
▼定休は第1水曜(営業時間・休日はサンフレッシュ土浦店と同じ)
▼(電)029(811)6757

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