平潟漁港や嫁入り舟、油絵8点公開 潮来の画家・草野さん、31日まで 

茨城新聞
2021年1月15日

潮来市在住の画家で日展会友の草野好夫さん(80)の油絵作品8点が、同市潮来の草野モータース展示スペース2階に展示されている。元々は家族で楽しむために飾られたものだったが、31日まで希望者の見学も可能にした。作品の多くは、北茨城市の平潟漁港を描いたもの。草野さんは「展示されているものの中には、出展して以来どこにも飾られなかった作品もある。このような機会が得られて幸せ」と話している。

地元で自動車の修理・販売業などを営んでいた草野さん。40歳のころ、地元の絵画教室に入って油絵を描き始めた。「漁港」をテーマにすることが多く、各地の漁港を巡っては作品づくりに生かしていたが、2005年、平潟漁港を描いた作品で日展に初入選。以来、平潟漁港の風景を描き続けてきた。「漁港を描く際には背景が重要になるが、平潟漁港は切り立った崖があるのが素晴らしい」と、たびたび現地を訪れてはイメージを膨らませ、毎年平潟漁港の作品を発表してきた。

19年には日展の会友となった草野さん。昨年末、長男の宏さん(49)らが、「年末は毎年家族で集まることになっているので、みんなで父の作品を眺められるように」と、店舗隣の展示スペース2階を改装し、油絵8点を飾った。新型コロナウイルスの影響で家族が全員集まることはできなかったが、これまで出展以外では人目に触れなかった作品もあったことから、希望者も見学できるようにしたという。

展示されているのは、日展入選や白日会展入選の漁港を描いた作品のほか、潮来伝統の嫁入り舟をテーマにした作品など。このほか、1階には風景や人物などの作品も飾られている。草野さんは「40年続けてきた油絵が今は唯一の生きがい。これからもできる限り描き続けていきたい」と話している。

展示スペースの開放は午前10時から午後6時が目安。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、見学には事前連絡が必要。問い合わせ、申し込みは草野モータース(電)0299(62)2180

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