独自の技と釉薬の妙、人間国宝の魅力に迫る 「松井康成と原清展」 茨城県陶芸美術館

茨城新聞
2020年11月18日

重要無形文化財保持者(人間国宝)の陶芸家2人の企画展「人間国宝 松井康成と原清展」が、笠間市笠間の茨城県陶芸美術館で開かれている。「練上手(ねりあげで)」の人間国宝・故松井康成氏と「鉄釉(てつゆう)陶器」の人間国宝・原清氏の計110点を展示。2人の作品の魅力に迫り、伝統工芸の技を堪能できる内容になっている。2021年3月21日まで。

見どころは、松井氏の「丸い壺作品」や原氏の「馬が描かれた作品」。松井氏は、古くからあった「練上」という技法で、独自の方法を編み出し発展させた。会場には「練上嘯裂茜手壺(ねりあげしょうれつあかねでつぼ)」をはじめ、さまざまな技法で作られた丸い壺作品が数多く並ぶ。

原氏は、釉薬の配合などを研究して作風を広げた。馬が好きな原氏は、釉薬の鉄分の割合で黒や茶色に変化する鉄釉を使い、馬を描いた作品を多数発表。今展では「鉄釉馬文大壷(てつゆううまもんおおつぼ)」などを展示している。

会場では来場者の理解を深める取り組みとして、両氏の作風や陶芸関連の専門用語について解説した計8ページのガイドブックを配布。展示品のそばには解説文を付けている。

期間中、12月19日、21年1月16日、3月6日には同館学芸員が同展を案内する無料のギャラリートークが開かれる(各日午後1時半から)。

午前9時半~午後5時。月曜休館(11月23日、21年1月11日は開館)。入場料一般520円、満70歳以上260円、高校・大学生370円、小・中学生210円。団体割引あり。土曜日は高校生以下無料。問い合わせは同館(電)0296(70)0011

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