医王寺の「至宝」一堂に 鹿沼 あすから展示会 県指定の仏像、絵画など シャトルバスも運行

下野新聞
2020年10月30日

 【鹿沼】「とちぎの宝 医王寺の至宝」展(市、実行委員会など主催)が31日から11月8日まで、北半田の東高野山医王寺で開かれる。金堂で県指定有形文化財の仏像など12体、講堂では絵画、工芸、古文書などを多数展示する。県立博物館に寄託している鎌倉時代の2像なども“里帰り”して公開される。1、8日の日曜日にはJR鹿沼駅などからの無料シャトルバスの運行もある。

 市が推進する市域全体を博物館として捉える「鹿沼まるごと博物館」の一環で、1年以上前から準備してきた。

 真言宗豊山派の古刹(こさつ)医王寺は建造物や仏像など県指定有形文化財30件、市指定有形文化財4件を数える。メインの展示会場となる重厚なかやぶき屋根の金堂は、普段は未公開。中央の宮殿(くうでん)に安置されている鎌倉時代制作の本尊「薬師如来及び両脇侍像」をはじめ、県立博物館に寄託している「毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)」「吉祥天立(きっしょうてん)像」を展示する。

 通常、講堂の宝物館にある「弥勒菩薩坐像(みろくぼさつざぞう)」、疫病を退散させると説かれている平安時代の「十一面観音菩薩立像」なども、展示のため、金堂に運んだ。特別出品となる上南摩町、宝城寺の「阿弥陀如来(あみだにょらい)立像」は、約1年半の修復を完了し、初披露。穏やかなほほ笑みを見せる。

 講堂では中国・清時代の画家沈詮(しんせん)筆のサルを描いた「封侯図(ほうこうず)」(県立博物館寄託)や医王寺の歴史と信仰などが分かる古絵図、版木、古文書、法要仏具などが見られる。

 同寺の田戸大智(たどだいち)住職(49)は「医王寺の寺宝が金堂に初めてそろう、これまでにない大規模な展示。仏教文化の歴史を多くの人に見てほしい」と話す。

 無料シャトルバス(事前予約優先)の運行時間は市文化課へ。観覧時間は午前9時半~午後4時半。観覧料は500円(中学生以下無料)。

 (問)市文化課0289・62・1172。

地図を開く 近くのニュース