京都5家、近現代の陶芸 筑西で企画展 波山との交流も紹介

茨城新聞
2020年10月28日

京都を代表する陶家5家の近現代の作家を紹介する、企画展「京都の陶芸展~5家17人の挑戦」が筑西市丙のしもだて美術館で開かれている。樂家、永樂家、清水家、宮永家、森野家の17人約50作品を展示。筑西市出身の陶芸家で文化勲章受章者の板谷波山と5家に連なる作家の交流も紹介され、陶芸ファンの関心を集めている。

会場では、室町時代後期からの伝統を継承するだけでなく、現代美術に近い活動も見せる5家の若い世代の創作の息吹にも触れることができる。

特に「東の波山、西の清水」と呼ばれた、板谷波山と5代清水六兵衛らの交流を解説する特設コーナーが見どころ。波山と同時期に欧州の芸術運動「アール・ヌーボー」の様式を陶芸領域に導入した5代清水六兵衛の「青華ゆうかり花瓶」(1924年制作)や「青磁柘榴(ざくろ)花瓶」(30年制作)、さらに横山大観が絵付けした「御本山水水指」(32年制作)などの作品が目を引く。

同館は、5家の各作家や京都国立近代美術館、京都市美術館などから近現代の作品を特別に借り受け、所蔵する波山の作品と組み合わせて、独創性の高い今回の展示を実現した。

企画を担当した、同館学芸員の柴沼裕子さんは「京都の古くから続く陶家の継承がテーマ。各陶家の作風を比較して知ることができる機会は京都でもなかなかない。鑑賞者がすてきと思える作品に出合ってもらえたらうれしい」と話している。

会期は11月23日まで。問い合わせは同館(電)0296(23)1601

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