《旬もの》梨やブドウ、猛暑に潤う フルーツランド外塚農園(かすみがうら市)

茨城新聞
2020年8月23日

県産の梨やブドウが出回る季節となった。みずみずしさが連日の猛暑を癒やしてくれる。かすみがうら市にある「フルーツランド外塚(とつか)農園」でも、代表の外塚憲一さん(42)らが梨やブドウの収穫に汗を流す。

ブドウの栽培も手掛ける

 

農業系の高校、大学を卒業し、就農した外塚さんは父孝雄さん(71)に梨作りを一から学び、「やればやった分だけ結果が返ってくる」と教わった。梨栽培を始めて約50年になる孝雄さんのモットーは「お客さまに喜ばれる、安心しておいしい物を作ること」。外塚さんが就農したのを機に、ブドウも手掛けるようになった。

同市と石岡市をまたぐ同農園は、約2ヘクタールを作る梨や約40アールのブドウ、梅、栗、米を栽培する。鶏ふんやもみがら、油かすなどを配合した自家製の完熟堆肥による土作りで、元気な果樹を育てる。8~10月は収穫が重なる繁忙期。果樹狩りは行わず、直売を中心に、梨はJA水郷つくばにも出荷する。

梨は、剪定(せんてい)、摘蕾(てきらい)、人工授粉、摘果など季節に応じた適切な管理作業を経て、収穫を迎える。今はちょうど「豊水」の出番。その後は「あきづき」などが続き、10月まで品種をリレーする。「8月に入り天候に恵まれ、味は上々」と外塚さん。ブドウは8月下旬から「巨峰」、9月中旬から「シャインマスカット」などが続く。

石岡市側にある直売所は収穫時期に合わせて開く。今季は7日に本格オープンし、にぎわいを見せる。新型コロナウイルスの影響で試食を取りやめた。マスクで接客。実物の代わりにパネル写真を並べ、棚をビニールで囲むなど感染防止対策を施す。キャッシュレス決済も導入した。梨は1箱5キロや10キロ入りのほか、梨とブドウの詰め合わせなどなるべく要望に応えたいという。10月中旬まで営業する。

同農園は果樹の加工に積極的だ。直売所では自家製梅で漬ける梅干しなどの加工品を販売する。「せっかく育てたのに傷などで格下げになる梨を生かしたい」と外塚さんの妻ひさ枝さん。「梨のキャラメルパウンド」は梨をドライフルーツに加工し、市内の洋菓子店が洋酒に漬け焼き上げる。「梨酢」も企画開発した。

さらに、県内のパン店や洋菓子店が同農園の梨を使って商品を出しており、他業種との連携を図る。

■メモ
フルーツランド外塚農園▽直売所の住所は石岡市三村2260の1
▽今期の営業は10月中旬まで。営業時間は午前9時~午後5時
▽(電)0299(59)7422

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