《食いこ》かすみキッチン(かすみがうら市) 湖眺め地元の食材味わう

茨城新聞
2017年7月30日

霞ケ浦で取れるシラウオなど湖の恵み。地元で生産される「蓮根豚」や「湖(かわ)ふぐ」。レンコン、ブルーベリー、イチゴなどの野菜や果物。霞ケ浦湖畔のかすみがうら市交流センター2階の「かすみキッチン」は湖を眺めながら同市産の食材の料理が楽しめる。今月、オープン1周年を迎えた。

シェフの梅津佑次さん(32)は「地元の食材に触れられるのは料理人として財産」と語る。「素材の味が大切。いくら料理で下処理をしても素材がよくなければ。素材のよさにこだわったそれぞれの生産者の努力」を実感する。その思いを受け、地元の豊富な食材を生かした多彩な料理を手掛ける。

湖ふぐはアメリカナマズのこと。「生産者の努力で、井戸水に泳がせ独特の臭みを抜いている」と梅津さん。県産レンコンを食べて育った蓮根豚は「肉の脂に甘みがあり、さっぱりして食べやすく、他の銘柄肉に引けをとらない」。「蓮根豚レモンジンジャー焼き」は食べ応えがある一品。

各農園が餌や飼育法に丹精込めた同市産の卵は3種類を使い分ける。黄身が白っぽくさっぱりした味わいはティラミス、黄身が濃厚な卵はカルボナーラなど料理に合わせる。

霞ケ浦沿岸はレンコンの産地。「揚げ出し蓮根」などのほか、デザートにも取り入れる。「蓮根チーズロールケーキ」は食感が楽しめるよう生地にレンコンのコンポートを入れ焼き上げた。

21日に漁が解禁となったシラウオ。7月下旬から12月まで提供する生の「新鮮シラウオ丼」は「シラスとは違う。夏は苦味が少ないが、大きくなるにつれ、内臓の苦味が出てくる」と季節で違った味が楽しめる。一年を通じて釜揚げシラウオ丼を出す。梅津さんは土浦市出身。都内の専門学校を卒業後、中華料理店、イタリアン料理店で腕を磨いた。経験を生かし、シラウオのピザやパスタも作る。

店内の内装は、図工室の机をテーブルに使うなど廃校になった同市の小学校の備品を活用。懐かしい時間が流れる。「アットホームな雰囲気を心掛けている」。居心地のよい空間が広がっていた。

■お出かけ情報
かすみキッチン
▼住所はかすみがうら市坂4784番地先
▼営業時間はランチが午前11時~午後4時(ラストオーダー同3時半、土日祝日は午後4時半)、ディナー(月・火・水は予約制)が同5時~同8時半(同8時)
▼(電)029(896)1227

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