完熟果実ゼリー、ヘルシー麺 こんにゃく新商品次々

上毛新聞
2020年8月6日

群馬県のこんにゃく製造販売、「こんにゃく工房  迦(か)しょう」(沼田市中発知町、遠藤周代表)が、高付加価値の商品開発を加速している。今季は市内の観光農園と連携し、完熟果実を使ったゼリーを発売。新型コロナウイルスの影響による外出自粛に対応し、ヘルシーな麺も売り出した。同社は「時代に合った商品を開発していきたい」としている。

新型コロナ感染拡大の影響で、市内の観光農園では摘み取られないままの果物が大量に発生。これを使ったこんにゃくゼリー「生果実と湧き水と蒟蒻(こんにゃく)の甘熟ジェリー」(5個、1880円)を作り、ネットなどで販売した。サクランボやリンゴの果肉入りの軟らかな食感のゼリーはお中元需要を取り込み、1000点以上売れた。

これから旬を迎えるモモやブルーベリーの商品も発売する予定。製造責任者の遠藤春奈さんは「『虎屋のようかん』のように、『迦しょうのこんにゃく』と言ってもらえるよう頑張りたい」と意気込んでいる。観光農園では毎年廃棄される果物が出るため、連携して定番化を目指す。

また、外出自粛太り対策の需要を見込み、こんにゃくだけで作った麺「こんにゃくめんめん」(10個、1800円)も発売。さまざまなしょうゆを販売する職人醤油(しょうゆ)(前橋市)が選んだつゆとのセット販売もしている。

元は手作りにこんにゃくを手掛けてきた同工房を、代表者のおいでコンニャク農家の遠藤代表が2014年に継承した。都内の百貨店に卸すなど販路を拡大する一方、高品質でおしゃれな商品の開発にも着手。もっちりとした食感でわらび餅のような玉こんにゃくを15年に発売した。

その後、色鮮やかなこんにゃくゼリーや3色のこんにゃく入りソーダなど新商品を次々と企画。東京・原宿のカフェなどでも販売された。19年8月には運営会社「Mighty Konjac」を設立し、売上高は経営を引き継ぐ前の約3倍に増えている。