個性あふれる篆刻85点 古河で協会役員展 書や絵画と一体

茨城新聞
2020年6月30日

 第12回日本篆刻(てんこく)家協会役員展が27日、古河市中央町2丁目の篆刻美術館で開幕した。流れるような“動”を感じさせる篆刻の印に、書や絵画が一体となった作品が軸で展示されている。協会役員たちの個性とバラエティーに富んだ作品計85点が来場者を楽しませている。8月27日まで。
 
 篆刻は落款などに使う印章で、主に古代文字の篆書体を使って彫る。日本篆刻家協会は大阪府に事務所を置き、1985年に発足。篆刻のみの全国公募展を開催するなど、篆刻と文字文化の普及や発展に努めている。会派に偏らない自由な創作活動で、会員の独創性が引き出された作品が制作されている。
 
 同展では同協会初代理事長、故梅舒適(ばいじょてき)氏の作品を特別展示。尾崎蒼石会長ら全国で活躍する篆刻家の作品が並ぶ。大村雪陵常務理事は、文字部分が白くなる白文の篆刻に、甲骨文字を刻んだ拓本を添えたユニークな作品を出品。真鍋井蛙(せいあ)副理事長は、朱文にカラーの絵と篆刻文字の書を添えた。
 
 井谷五雲理事長の弟子で、同協会評議員の栃木県佐野市、庭田露舟さん(68)は、直近の作品3点を合わせて出品。「新しいものに挑戦する作家たちの元気で芸術的な作品がそろっている。個人の特性が見られて面白い」と話し、会場の作品に見入っていた。
 
 開館時間は午前9時~午後5時(入館同4時半まで)。入館料200円、小中高生50円。8月11日休館。問い合わせは同館(電)0280(22)5611。

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