「さしま茶」ハワイ輸出 お茶の根本園 手もみの実演計画

茨城新聞
2020年6月13日

 さしま茶を製造販売する「お茶の根本園」(坂東市生子、根本宏紀社長)は今月、米国・ハワイに向けた商品輸出に乗り出す。同社は2017年から東南アジアに進出しているが、米国への本格輸出は初めて。今後は現地で「手もみ茶」の実演販売も計画し、日本茶の魅力を発信したい考え。
 
 輸出するのは、手もみ茶、抹茶入りの緑茶ティーバッグと粉末緑茶、お茶を使ったアイスなど計6種類。カリフォルニア州に本社を置く日本食スーパーの「ミツワマーケットプレイス」ハワイ店に出荷する。アイスは小美玉ふるさと食品公社(小美玉市)が製造。同公社の商品が輸出されるのは初めて。
 
 同社は昨年8月ごろから現地事業者と商談を開始。輸出に当たり、パッケージ表面に「NEMOTO」のロゴを大きく表示して同社ブランドをアピールしたほか、裏面には温冷それぞれのお茶の入れ方を英語で表記した。
 
 同社は3年前からベトナムやシンガポールへの輸出に取り組んでおり、取引は年々増加。輸出量は初年度の100キロから昨年は200キロと倍増した。
 
 日本茶は、世界的な健康志向の高まりを受けて輸出量が年々増加。近年は「抹茶」ブームもあり、既存市場のアジアや米国以外に、EUやロシアなど新興市場も成長しつつある。生産団体などが加盟する日本茶輸出促進協議会(東京)がまとめた資料によると、今年1~4月の輸出量はコロナ禍にもかかわらず前年比103%と健闘したという。
 
 根本社長は、コロナ禍の収束後、現地店頭などで手もみ茶の実演に取り組む意向を示し、「日本茶の魅力とともに『NEMOTO』の名を広めていきたい」と話した。

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