吉澤章さん 折り紙の世界 上三川で来月から 没後15年、国際的作品集結 躍動感あふれるゴリラ、ペンギン…

下野新聞
2020年2月17日
展示予定のペンギンの親子

 【上三川】町出身の世界的な創作折り紙作家吉澤章(よしざわあきら)さん(1911~2005年)の没後15年を記念した企画展が、命日の3月14日から5月31日まで、町中央公民館展示ホールで開かれる。故郷上三川での本格的な展覧会は2003年以来。企画した町中央公民館は「国際的に高い評価を受けている吉澤折り紙を多くの人に見てもらいたい」としている。

 吉澤さんは13歳で上京すると、働きながら折り紙を研究し、1950年に初めて美術造形作品として発表。54年に国際折り紙研究会を設立し、オランダやスペインなど世界各国で個展を開催し、画期的な造形美術として注目を集めた。

 外務省や国際交流基金から海外に派遣され、折り紙の国際的な普及にも尽力。訪れた国は約50カ国にもなるという。92年のスペイン・セビリア万博の日本政府館で、「日本の四季」を折り紙で表現したことでも知られ、毎日出版文化賞も受賞している。

 ゴリラやペンギンなどの動物作品は、リアルで躍動感にあふれる。吉澤さんは動物園で長時間動物の動きを観察。筋肉の動きなどを切り取り、紙で再現したと伝わる。

 町は国際折り紙研究会などから寄贈を受け、約300点の作品を所有している。このうち、50~60点を展示する予定。オープニング式典には、菊川多美子(きくかわたみこ)国際折り紙研究会代表らを招き、テープカットを行う。また、期間中に大人向けと子ども向け両方の折り紙教室の開催も予定している。

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