りんりんロード 日本代表ルート候補に 世界に誇る自転車道へ

茨城新聞
2019年9月10日

国土交通省は9日、日本を代表する自転車ルート「ナショナルサイクルルート」の第1次候補として、本県の「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)など3路線を選んだ。同省は第三者委員会による審査を経て、10月を目標に正式指定する。正式に認められた場合、りんりんロードは日本が世界に誇る自転車道の位置付けを得ることになる。県地域振興課は「県が推し進めるサイクルツーリズム(自転車観光)に弾みがつく」と指定を待ち望んでいる。

今回候補となったルートはりんりんロードのほか、琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県)、広島と愛媛両県にまたがる瀬戸内海の「しまなみ海道サイクリングロード」の計3カ所。両者は自転車愛好家の間で著名なルートとなっており、りんりんロードの価値がさらに引き上げられることになる。

同省は今後、指定ルートの統一ロゴを作成して情報発信するほか、社会資本整備総合交付金などによる重点支援を行う。またルートのブランド向上を図り、インバウンド(訪日客)を見据えた新たな観光価値を創造していく。

りんりんロードは桜川市から潮来市までを結び、途中で霞ケ浦を一周する自転車道。県が先行整備していた旧筑波鉄道跡の「りんりんロード」(桜川市-土浦市、約40キロ)と霞ケ浦湖岸の市町村道などを一体化し、2016年11月に全線が開通した。全線がほぼ平たんで初心者が走りやすいのが特長で、上級者は途中で筑波山周辺の登坂ルートに入ることもできる。18年3月には、JR土浦駅ビルを改装した自転車拠点「りんりんスクエア土浦」も開業した。

国を代表する自転車道の候補となったことについて、大井川和彦知事は「大変ありがたいことであり、引き続き本指定に向けハード・ソフト両面からの取り組みを推進し、国内外からの観光誘客につなげてまいります」とコメントを出した。

同省はナショナルサイクルルートとしての指定要件として、(1)ルート設定(2)走行環境(3)受け入れ環境(4)情報発信(5)取り組み体制-の五つを設定している。

りんりんロードは路面の矢羽根表示や多言語案内の整備を進め、沿線ではレンタサイクル施設なども近年充実している。

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