市植物公園 薬草「水戸当帰」カレー 9月から 江戸時代の産地 復活へ

茨城新聞
2019年9月1日

水戸市植物公園(水戸市小吹町)は9月から、園内で栽培された薬草「トウキ」の葉を使った薬膳カレーの提供を始める。江戸時代に水戸で生産されていたトウキは質が高く、江戸でも「水戸当帰」として売られていたといい、「水戸当帰の復活」(同園)を目指したい考えだ。

提供を始める新メニューは「水戸当帰のスパイスチキンカレー」。園内で栽培されたトウキの葉を乾燥し、細かく刻んだ上でライスやカレールウに混ぜ込んだ。園内の喫茶「フィオレンテ」で1日~11月30日の土・日曜、各30食限定で薬膳メニューとして提供する。サラダやデザート、お茶付きで1200円(税込み)。

トウキはセリ科の植物。主に根が薬草として利用され、水戸藩2代藩主、徳川光圀が作成した医薬書「救民妙薬」には、血行改善や鎮痛、解毒などの効能があると処方が記されている。

さらに、6代藩主の治保による記録集「尚古閣雑録」には、水戸で品質の高いトウキが産出され「水戸当帰」として江戸で売られていたとの記載がある。

このため、園内の薬草園で栽培するトウキを使用したレシピ考案を中川学園調理技術専門学校(同市)の生徒に依頼、管理栄養士がアレンジした。同園の西川綾子園長は「(新メニューは)現代の水戸当帰デビュー作品。じっくり味わいながら、水戸の歴史に思いをはせてもらえたら」と話している。

同園は1989年から薬草園を設けたほか、2016年には養命酒製造(東京)と薬草活用事業で提携し、園内にハーブ園を開設。ハトムギやアサザなど、約60種類を栽培している。

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