野外歌舞伎 観客を魅了 那須烏山・山あげ祭開幕
下野新聞
2019年7月29日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「烏山の山あげ行事」を行う「山あげ祭」が26日、那須烏山市の烏山地区中心部で始まった。28日まで。
450年以上の歴史を持つ山あげ祭は、市街地を移動しながら行う国内最大級の野外歌舞伎が特徴。真夏を思わせる太陽が照りつける中、今年の当番町・鍛冶町の若衆らは、烏山和紙を貼り重ねて絵を描いた高さ10メートルを超える「大山」を立ち上げたり、屋台や地車(じんぐるま)を組み変えたりして野外舞台を設営した。
踊り子は常磐津の三味線や唄に合わせて奉納余興「戻橋」や「将門」などを上演。観客は暑さも忘れて絢爛(けんらん)豪華な舞台に見入っていた。
那須町富岡、無職白井(しらい)タイさん(73)は「見事に山が上がり、衣装も踊りも素晴らしく最高でした」と喜んでいた。この日は午後から風が強くなり、大山を上げずに上演する回もあった。
27、28日はそれぞれ5回の奉納余興が予定されており、27日午前9時からは初の試みとして小中学生だけで披露する「こども歌舞伎」が行われる。