「伝統の火」ともす技 栃木・ちょうちん作り

下野新聞
2019年6月20日

 栃木市藤岡町新波(にっぱ)の田中提灯(ちょうちん)店で、祭りや盆に向けてちょうちん作りが最盛期を迎えている。

 同店は100年以上の歴史があり、「新波の提灯」として県伝統工芸品に指定されている。現在は4代目の田中梅雄(たなかうめお)さん(59)と修業中の次女麻梨(まり)さん(23)で作業に励む。

 19日は、骨組みに張られた和紙に文字や絵を描く作業に集中していた。この後は、防水効果や密着性を高めるためにエゴマやアマニの油でコーティングして数日天日干しにする。田中さんは「手書きでクオリティーの高い文字や絵を描くことが強み」と誇る。

 年間制作数は300~400個。うち約7割を5月中旬から8月下旬までの最盛期に作っており、早い日は午前4時から作業しているという。田中さんは「手作りの良さを感じてほしい」と話している。