悪魔払って安全祈願 伝統の「アンバ様」、家巡る 鹿沼・板荷地区

下野新聞
2016年3月6日

 鹿沼市板荷地区に江戸後期から伝わる伝統行事「アンバ様」が5日、始まった。みこしや大てんぐ、小てんぐ、獅子らの一行が同地区の家々を巡り、悪魔を払い家内安全を祈願した。

 市指定無形民俗文化財で、同地区に春の訪れを告げる行事として親しまれている。かつて疫病がはやった際、今の茨城県に当たる常陸国桜川村阿波(あば)の大杉神社の祭神の分霊を迎えて祭ったのが始まりとされる。アンバ様の名称は「阿波」が由来という。

 この日は、早朝から地区内の日枝神社で神事を執り行った後、おはやしの音色とともに古装束姿の一行が出発。各家では大てんぐ、小てんぐが勢いよく座敷に駆け上がり「アンバ様大杉大明神、悪魔払ってヨイのヨイのヨイ」と大声で唱え、払われた悪魔は「ヨイのヨイのヨイ」に合わせて口を動かす獅子が飲み込んだ。6日も行い、計約240軒を回る。

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